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深夜2時、彼女の部屋
「……ほら、また黙ってる。顔に出すぎなんだよ、あんた」
ベッドの端、シャツ一枚で脚を組む柊さんが、
じっと俺の方を見ている。
さっきまで、何度もキスして、
その先まで確かに触れ合ったのに。
終わったあとも、毒は抜けない。
むしろ、
汗ばんだ素肌と乱れた髪に乗ったその毒が、
一層甘くて、たまらなく感じる。
「こんな時間に男を部屋に上げといて、“別にそういう意味じゃないし”とか言わないから、安心して」
冗談みたいな口ぶりなのに、
その言葉の奥には、なにか確かなものが滲んでる。
彼女は、素直じゃない。
けど今、
ベッドのシーツを片手で握ってるその手は、
小さく震えてた。
ゆっくりと近づいて、
彼女の脚に触れる。
「ちょっと、触んな……ばか」
そう言いながら、
逃げない。
むしろ、
脚を組み替えながら、俺の膝の上にすっと乗せてくる。
その足裏が、俺の太ももを滑って、
冷たいようで、でもすぐに熱を持っていく。
「……踏まれたいとか、そういう趣味、ある?」
「いや、そういうんじゃ……」
「うそ。ちょっと反応した」
にやっと笑う彼女の瞳は、
濡れた髪の隙間から見える白い首筋と一緒に、
やけに艶っぽい。
俺の指先が、彼女のシャツの下に滑り込むと、
ひとつ、小さな息が漏れる。
それを聞きたくて、もう一度指を這わせる。
「……好きにすれば。
ただし、調子に乗ったら、マジで蹴るから」
強がってるくせに、
腕の中で少しだけ震えてる。
その温度が、たまらなく愛しい。
だから今夜もまた、
彼女の強がりごと、全部抱きしめたくなる。
















