目次
ジト目のジトりん
放課後の教室。
斜めから差し込む夕陽が、教室の床をオレンジに染めている。
誰もいないと思って入った教室の奥、
一番後ろの席に、彼女が座っていた。
制服の襟元を軽く指でつまんで、
ぼんやりと窓の外を見ている。
でも、目線だけはこっちを向いてた。
「……なに?」
怒ってるわけじゃない。
呆れてるわけでもない。
ただ、“もう分かってるよ”って空気。
そのジト目が、何よりも饒舌だった。
無口で、静かで、でも全部見抜かれてるような感じ。
その視線の前では、どんな言い訳も意味をなさない。
「……ふーん。そういう目で見てたんだ。」
呟くようにそう言って、
ジトりんは静かに視線を外した。
肘をついたまま、また何事もなかったように窓の外を見つめてる。
たったそれだけの仕草が、
なんでこんなに記憶に残るんだろう。
彼女の名前は、ジトりん。
静かに、でも確かに、心の奥に刺さってくる子。
🐻🐻































